中原中也/じぇいぞろ
 

トタンがセンベイ食べた街の
県庁所在地のバイパスには
ハイブリッド車の渋滞

コンクリートは
タールのように光を反射しない
駅舎の時だけはとまっている

湯気のたたない温泉街で
詩人の記念館は所在無げだ

あなたが登った山頂からみる
景色は変わってしまったのはやむを得ない

自筆原稿が
ランボーの狂気とのコラボが
筆圧には詩人の喪失への苦悶が
行間には想像を絶する絶望が
キリスト教への救済の願望が

安定剤のない時代には
苦しかっただろう

茫然とした僕の意識で
見つけられるだろうか

ランボーと中也が見た
太陽と交わる永遠


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