Creep/jin
回りが内出血で紫に染まっている
だが、地肌は石鹸そのもののように白く滑らかで、
北欧女性のそれを示している
しなやかな肢体を備えて、リリア本体が出現したのだ
「ありがとう」僕は赤い布きれで涙を拭いた
「レディオヘッド、わたしも好きだよ」リリアは顔を歪めて微笑む
「最近はこればっかりで」
「新しいのも聴いたらいいのに」
リリアは僕の知らない歌を口ずさむ
心なしか、陽当たりの悪い部屋が明るくなった気がする
「あの…、顔大丈夫? 痛そうだけど」
「もう慣れてるから。腫れてる方がいいの、男が嫌がって」リリアは陽気に話す
「ひどいね」
「問題は複雑なのよ、まず貧困があって、
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