あなたに終わらない五月を/たちばな まこと
 

もっと音にするといい
先生
強さをもらえなかったぼくが
壊れた家で生き抜いてきたこと
褒めてくれましたね
五月のように生きはじめたい
命を浴び
緑にまみれ
陽射しに泳ぐ夏のいきものとして
こころに夏の思い出を住まわせて

五月のそよ風をゼリーにと詩った詩人
その詩人をリスペクトした詩人
その詩人と共に生きる詩人
その詩人と血を混ぜる詩人
やさしい詩人よ
あのひとにならなくていい
あなたに
終わらない五月を





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