黒犬/opus
 
湖の畔
2mはある黒い犬が
腹を空かしている
目は赤く血走り
猛禽類のようにつり上がり
はぁはぁと息を吐き
30cmはある舌を垂らし
白く磨かれた牙を覗かせている

犬はその場でただずみ
一方へ目を向けている
そこに石造りの小さな家がある
犬はもう何ヶ月も前から
その家の中にただずむモノを狙っている

その家には
ある一人の女が住んでいる
女はとてもよく透き通った肌に
ウェーブのかかった金色の髪を靡かせ
青色の目を持っている
シルクで出来た光沢を持つローブを纏い
夜中のある時間になると
小屋から出てきて
蝋燭を灯し
何処かへと向かう

犬は畔の近
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