妹二人。/梓ゆい
くるくると回る提燈の灯りの元
笑ったように眠る父が居る。
父の横に座り
口元に耳を近づけて
微かに聞こえる寝息を聞いた1月15日の深夜。
父を挟んで布団を敷いた妹たちは
眠る時間さえ惜しむかのように
まだ暖かい首もとに
片手を忍ばせながら
二人で向き合い大声で泣いた。
「お父さん。お父さん。」と呼んで
抱っこをせがんだ幼い姉妹。
「お父さん。お父さん。」と呼んで
身体を支えた看護師の姉妹。
共に過ごし
大きな心と生きがいで成長を楽しみにした
大好きな大好きなお父さん。
眉間の皺は無くなって
静かな寝息で一人横たわる。
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