花        陸が海に消えるまで。/為平 澪
 


                、(かなしい/カナシイ。)

 つながれたまま息を止めてゆく、つむがれないコトバの上に、
貫かれてゆく、夢のつづきを砂浜につづる。
青い万年筆は、夏の亡霊の住処、あかい花が砂の城ごと波に浚われてゆく。

 
 あなたが愛したものは、もう一人の私。
わたしは、うたいつづける、さがしてみせる、
陸が海に消えるまで、陸が海に消えるまで。
              
              (手向けた花は、決して枯れない・・・




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