テレビの中/itukamitaniji
でも悲しんでもいられない 次があるからって言い聞かす
だけども次もダメだった その次もその次もずっとダメだった
重なってゆく落選通知に 次第に笑顔が消えていった
私は選ばれない人間? 未来のスターじゃなかったんだ
途方に暮れて歩いていた 都会の夜はいつまでも明るい
歓楽街の入口で どこかのエライ人に声をかけられた
俗に言うスカウトだった 選ばれたことが嬉しくて
私はカメラの前で裸になり なまめかしいポーズをとる
一斉にフラッシュが焚かれ 私の姿が切り取られる
エライ人は言う 「みんなやっていることなんだよ」って
いつか叶う夢の為に いつだって信じようとしてた
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