夜と重なり/木立 悟
 
 銀 灰 黒
なだめる過程
削り取られた音の粉を
雨の上で震わせる夜


夢はすべてほんとうであり
忘れることも分けることもできない
だからこそ忘れ だからこそ分け
ひとつのほんとうを選びつづける


目と目のあいだに何かがあり
小指の外側にも何かがある
常にそれらを忘れながら忘れず
重なる響きを重ねつづける





























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