World of sorrow/opus
 
犬が寝息を立てている
ラジオから軽快なJAZZが流れる
コトコトと白ワインでトマトを煮る

犬の隣に座って
本を読む
それはとても奇妙な小説ではあるが
これと言った内容が無い物語

6畳一間の屈託の無いアパートに住む
髪を短く刈り込んだ大学生の
男の子が
同年代くらいの幽霊の女の子と過ごす話
女の子は幽霊なのだが
別に普通に会話するだけ
一緒に楽しくTVを見て
出て行く彼を見送り
帰って来る彼を迎える

彼が出先で
事件という程でも無い出来事を
経験し
それを彼女に話す
彼女はそれからある推理と妄想をし
その意見を彼に言う
彼はそうかもしれないと言
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