歩道橋の上から/番田 
 
隣町のビリヤード屋に出かけた
近所の友達と連れだって 切符を買った
彼の家で対戦ゲームも集まってよくしていた
時間が余るほどあった あの頃

今 私は東京に住んでいるのだが
ときおり近所の高校生の姿を見かけることがある
その瞳の色は確かに何も知らなかったころの私の心を思い出させる
私が彼女に何かを話しかけることは不可能なのだが
その純粋な視線は 私の姿に 未来の何を見ているのだろう

戻る   Point(2)