小石/葉leaf
 
強硬な態度で臨むと自然とその社会のボスになる。連帯のネットワークに逃げて間接的に軋轢をごまかすのが通常の組織人だ。だが私は決して誰にも頼らず、ただ独りで相手をやり込める。そこまで強固に自我が独立している人間は組織には珍しく、自然と私は必要悪となる。

朝の闇の中で、独り闇の中に迷い込んでいる私は、まさに社会における必要悪としての私である。社会という偶然のつらなりの雲の中で、独り自らの光を保ち続ける私は、朝の闇の中で闇の吸収力と闘っている私に他ならないのだ。私は精密に構成され、硬く組成された一つの小石である。周りを取り囲むのは柔らかい植物や動物ばかりかもしれない。だが私は独り、鉱物として自ら固く
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