願う/文字綴り屋 ひじり
を慰めてくれた君が
見えるんだ
僕が引き摺っていた鎖は
僕が自分独りで大事に
抱え込んでいた幻だった
少しも重くもないのに
何の痛みも与えないのに
僕が作り出した幻想
それが答えだった
でもその答えを認めたくなかった
だからこそ
僕は自分独りで大事に
幻を抱え込んでいた
君も同じ幻想を抱えているの?
辛くないかい?
ちゃんと笑えているかい?
もう僕は君の隣にはいないけど
君があの時と同じ瞳をしているならば
悲しいと思うよ
僕は君の笑顔が好きだった
だから君が今
いつものように笑えるように
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