村祭と従妹/イナエ
 
れる 
ぼくが山車を追って走るとき

宿から帰った従妹が赤く燃えるぼくの顔を
遠くから見ていることに気が付くと
ぼくの顔はますます燃えて炎をあげる

従妹が隣に来て竈をのぞき込む
けれども慣れない従妹は煙に咽せて咳き込む 
すると 叔母は従妹を呼び戻し
街から持ってきた空気の中で
弟といっしょに遊ばせるのだ

太鼓の音も静まった夜中 従妹は
ぼくの冷たい寝床に潜り込み 
ようやく膨らみ始めた胸にぼくを入れ 
母を殺す企てをそそのかす
ぼくときたら 
二人目の母を失っては大変だと
従妹を邪険にはねのけるのだ 

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