しろうからKへの公開書簡 #04/しろう
 
はおいしそうに食べる振りをしながらやたらとゆっくりと食べたりして誤魔化すかむやみに立ったり座ったりして引き延ばしするか「タネ飛ばしをしよう」なんて言って子供を縁側に誘ってから自身は奥にフェードアウトしたりする。かような彼らの行動について幼い頃は不思議で仕方がなかった。なぜ大人は花火のように楽しいこと西瓜のようにおいしい物に飛び上がってかぶりつかないんだろう?「あんたたちが楽しめば/食べればそれでいいんだよ」なんて言い草は嘘っぱちだと分かってたけど、じゃあ何が本当なのかということについては幼少の身には皆目見当が付かなかった。
はてさて、大人というものは経験で知っていたのさ。絵が描きたくなりたければ
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