雑記(メリーゴーランドの二人)/またたび八寸
 
きた。とは言っても
慣れただけなので、睡眠時間は一般的な成人より
少ないと思う。そのせいか、僕はあまり夢をみた
ことがない。中学生の時に二、三回みた程度なの
で、実は夢をみることに憧れがある。妻に聞くと
意外に職場や私との生活に関する夢が多く、SF的
なものや非現実的の夢は殆どないという。同僚は
大体「知らない人に追いかけられている」「水関
係」「職場で追い込まれている」などと、不条理
で恐怖感のあるものが多いようで、寧ろみない方
がよいのではないかと思うものばかりだ。しかし
眠ることが強制的にブレードランナーの主人公に
なることなら、よく睡眠恐怖症にならないでいら
れるのか、そちらの方がすごい気もしてくる。
僕はもし夢をみれるのなら、草原や空や森の中で
動物たちに囲まれて眠る夢をみたいと思う。妻は
意外ねぇ、川端康成の少女小説みたいなのね、と
言うのだけれど、世界を内包する世界、僕はその
眠っている夢の中でも、同じどこかの森で眠る夢
をみていたい。それは何というかもう、永遠のよ
うな、無限のような、瞬間、なんだな。

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