春に吹く風/
吉岡ペペロ
ラになっているお皿が真っ白だ。
ぼくに気づいたのかレオがすこし伸びをして、また目をあけたまま絨毯に寝そべった。
のぞくとその目が物悲しかった。
ぼくは跳ね返されたような気持ちになった。
エアコンの風を受けていた。
ぼくはナビの到着時間を見た。
早く帰りたい、早く散歩にゆこう。
まえの車のテールランプが赤かった。
歩道の信号が点滅してかわった。
物悲しいなんてレオに失礼だと思った。
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