あを。あを。あを。/竹森
(あを。あを。あを。彼らを)
(僕らとは呼びたくない。海を見た事の無い僕)
(たったさっきまでひらがなを綴っていた。)
(塩水を海水と呼びたくもなる。瓶が卓上に敷く陽光の)
(シートの下に掌を押し入れて、傾けると)
(午前は午後に変わり)
(肌越しに抜け落ちる血の管の。あを。)
(あを。あを。それを)
(眺めているのは、僕ではなくなる。を。)
ガラスのひたいに噛み砕かれて
輪郭を持ち崩したままメールを着信したのなら、
点滅する携帯電話を湖に投げ捨てて、
夜空に燦然とまたたく星々のひとつを、みつめては、
つこいのかずをかぞえる。
コルクの栓が抜け落ち
(て冷水の
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