遠い空/葉leaf
持ちは遠い空を揺蕩っていた
親しい友人たちや恋人たちの気持ちが飛んでいく場所
それが遠い空である
僕たちはお互いの眼差しを感じているが
この眼差しは遠い空へと幾筋も伸びていき
いつまでも保存されるのだった
遠い空の夕焼けの光のもと
テロ組織が国家に戦争を仕掛けた
民間人は死に大国が武力介入し多くの血が夕陽のように流れた
遠い空は山を映すように戦争を映した
木々の芽吹きと人間の死とが遠い空で等しく絡まった
無差別で無批判に何もかも映し出してしまう遠い空
その限りない優しさ
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