白い紙の上でダンスをする二人/またたび八寸
 

夜に思い出すことを
朝起きると忘れている

白い紙の上でダンスをする二人

余白は広がり続ける

指差す方へ
頭を向けて僕らは回転していく

ステップに次ぐステップ

夢のよう夢

映画館の片隅や川の半ばに
僕らはいつも存在していた
或いはアパートの一室や
公園の遊具の上で
電車の窓際で
僕らは溜め息を落とし
手を振り微笑んだりしていた

そうして
誰もいない舞踏会
白い紙の上でダンスをする二人

広がり続ける余白

夜になれば目を瞑り
ささやかな暗闇に落下していく
その速度

僕らは肩を並べて朝を迎える
ファンファーレが鳴る光の中で
指差す方へくるくると回転をし始める


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