春ぼんやり/
ただのみきや
公園の遊具が拘束を解かれ
子供たちを纏い始めると
桜は突然咲くのだ
短い季節に燃え上るいのち
追いかけてはみるものの追いつけず
去り往く姿 あっというま
廻り来る姿 あっというま
あっというまに男となり女となった子供たち
記憶の遠近はますます曖昧になり
春霞の向こう一枚の絵のように
もう誰のものか定かではない
《春ぼんやり:2015年4月25日》
戻る
編
削
Point
(16)