「自称詩」顔/花形新次
 
夜中に目が覚めると
僕の部屋の隅に誰かいる
こちらに背を向けて
じっと立っている
長い髪の見知らぬ女性だ
ぶつぶつ何か呟いている
聞き取れないから
ベッドを降りて
近寄ってみる
か細い声で
「わ、た、し、の、か、お、は」
「わ、た、し、の、か、お、は」
「わ、た、し、の、か、お、は」
と繰返し言っているのが分かる
あなたの顔がどうかしたの?
と訊ねると
いきなり、振り返って・・・・

ガシャン!ドシャン!

シーン

・・・ツー、ツー、ツー、ツー、ツー

おいっ、振り返ってどうなったんだ!
もしもし?振り返ってどうなったっていうんだ!
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