ミッドナイト・チャンバー/またたび八寸
 
閉められないままの真夜中

瞳孔が少し開かれていて
部屋の片隅まで見えている

隣の君は
無音で横たわる温かい肉塊

言葉もなく
思考もない

閉じられた身体の内側で
ひたすら内部にむかって
落下し続ける

時折君は手に持った
ターコイズブルーの傘で風に煽られて
くるくるまわったりするけど
広げたスカートでゆっくりと落ちていく

多分頭上には星が輝いてる
乾いた天井を見上げて
僕は布団を引き寄せた

薄暗い部屋の片隅
隣では落下し続ける君

チャンバーは閉じられない
僕らの上には星が溢れていた


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