かたちのない世界/opus
ゆらゆらと
陽炎の向こう側
君の瞳が揺れる
青いベルベット
嫋やかな夢の渚
淡い空気の香り
風の音が響く
遠くで山の木々が揺れる
広がる田園を分かつ小道を
ゴールデンレトリバーを連れた
少女が歩く
白い空気に
黒く細い描線画
とりとめもなく
もやもやと
漂うように
じっと
ただずむ
手を伸ばせば
何かに触れる
繋がれる
それはあるいは拒絶され
あるいは許容される
急に足場が崩れても
実は、
知らない人に手を差し伸べられたりする
でも、
その手を逆に放してもいいんだ
この世界では。
放された人は
顔を覆い絶叫する
落ちいく君の顔を
覆った指の間から覗く
その目に刻むだろう
それでもいいんだ
この世界では。
例え、無責任と言われても
それこそが
この世界の希望である人もいることを
僕は嬉しく思い、
また、胸糞が悪い
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