海の合唱/服部 剛
 
私は、白波。
晴天の大海で、一人
遠くから呼ぶ
あの太陽
の熱い眼差しを身に受けて、踊り上がる
私は、白波。

瞬時に見渡す、海面、あちらこちら
それぞれの、個性の、白波等
それぞれに、水の花、咲かせ
身を捩(よじ)り、踊り上がり

全ての一人ひとりは
この大海に含まれた、輝く水の滴。

海と、波等と、私の間に
透けた糸で
結ばれている…いのちの歓び
自らの白い体に疼(うず)き
飛沫(しぶき)となって、砕けては

無限の海の只中へ
私は、潜る。  






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