曇りガラス。/梓ゆい
 
物の中には、不信感が残るだけ・・・・。
そこから逃れようと
傷を負いながら瓦礫をどかし
障害物を破壊する。

「気付かれたくないもの・見せないものがいくつもあった。」
解かっているつもりの人に会えば会う程
一人ぼっちの中にますます居たくなる。

噛み合いが取れない時
流れる空気は乱気流となり
(解かって欲しい。)と欲望が沸いた瞬間
分刻みのタイミングで裏切りがやってきた。

「お父さん。お父さん。人の心と実態は差がありすぎて、正しいものが見つかりません。」

(心拍数が弱くなり、大きな一呼吸で無になる夢を見た・・・・。)

何かを思うのは
それらを継続する選択をするということ。

意識を集中するのは
傍にいるはずの
今は亡きあなたの事を確認するため。

小さなしこりを抱え
関わりを継続すれば
人の心は死へと向かう。

(カタン。コトン。カタン・・・・。カタン・・・・。)
欠けた身体を繫いでみたら
隠した本音と物事が
小さな亀裂から崩れて滑落を始めた。

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