廃材/草野春心
 


  果樹園の頭上を滑る鳶の影  
  廃材が積まれた惨めな河辺
  男がトラックの荷台に腰掛け
  たばこを吸いながら私のほうをみている
  私の人生から消えていったあらゆる者たちが
  彼のまわりに集まり無言で私を催促している気がする
  いったい何処から話せばいいのか


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