星屑たちへ/opus
 
ゆらゆらと揺れている

ヤドカリは最後を悟った
これで終わりだと
「ゴメンね、赤ちゃん。
ゴメンね、あなた。」
するっと
右目から零れでた涙が
海に溶けた

その時、
お腹の卵が
もごもご
もごもご
パキッ‼
ひゅっひゅっひゅっと
まるでエビのような姿の子供たちが
勢いよく飛び出した

その半透明の体は
月の光に照らされて
キラキラと光り
その様子はまるで
駆け巡る流れ星の様だった

「お母さん、
産んでくれてありがとー‼」
その声が耳に届くと同時に
ヤドカリは静かに
目を閉じた

岩場では
目を凝らすと
もぞもぞと蠢く者たちがいる
静かに細々と
暮らしながら
そこにはいくつもの
連なりが広がっている
ほら、ここにも
薄桃色の花びらの模様をした
小さな貝殻が転がっているよ


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