いつまでも、どこまでも/opus
ている
「あと少しで終わるよ」
猫がそう言う
「そうだと思う?」
猫は後ろ足を舐める
「さあね。」
強い風が吹いて
桜が宙に舞い
一枚が目の前で
ひらひら
ひらひら
それを猫が
ぴょーんと膝から飛んで
捕まえる
前足を膝に置き
花を私の手の甲の上に乗せる
「くれるの?」
「お礼さ。
それにそれは食えない」
猫はすたすたと行ってしまった
桜の花びらをコインケースにしまい
その場を離れることを決めた
空は青空で
白い雲がぷかりと浮いている
桜はあともう少し花びらを散らし、
次の葉を携える
戻る 編 削 Point(3)