いつまでも、どこまでも/opus
桜が咲いていて綺麗だ
白い猫が堀の中を歩いている
赤い橋の上で外国の方が
ブロンドの髪を揺らしている
携帯された五月雨が
水色のキュプラ素材のワンピースに忍び込み
クククッと笑っている
まつ毛が目に入って痛い
目をしばたいていると
白猫が私の膝の上に飛び乗って
「姉ちゃん、煮干しでも持って無いか?」
ポケットの中には
キシリトールガムしか無いから
変わりに首すじを撫でてやった
道端で親子が
楽器を引いている
母親がバイオリンを
息子がラッパを
童謡を奏でている
息子は白と水色のボーダーの
ニット帽を着け
そのてっぺんに桜の花びらを
のっけてい
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)