春涙餞/
唐草フウ
もう
春は流れだしていた
斜めからすべりこむ、頬に風
雨の音をまちわびて 鼓動たち
命は生えかわらない
もとにももどれない
遅すぎたのかもしれない
人並み 足どり
たちのぼる 愛と戸惑い
微かに わらう
どうしてだろう
まだ思い出すまでには到れない
晴れた日の夕日の時間 延びるから好きになる
泣きたいような 甘い安堵
さよなら
ありがとう
流れてこみ上げる 春がそばにいる
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