春について(ホットケーキ)/竹森
春に、ついていく、少女に、
ひとひら、ひとひら、
名を、羽織らせる、
少女に、ついていく、
少女も、また、
春に、ついていく、のなら、
「くだらない」
嘔吐で隠ぺいされた
「くだらない」がまた
ホットケーキを
台無しにして
ないがしろにした
約束ばかりを
僕は
どうして思い出す
桜は紅葉する
前に散れ
桜は枯れる
前に散れ
少女はこの先
崖の先
で僕に
犯される
のを
待っていろ
だからたとえば
ぬくもり
おともなく
沈黙を強いられた
そして
ついには顔のない
屈強な戦士に侵された大陸。そこで踊る少女のかなし
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