風に捧ぐ/opus
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(暗闇)
もぞもぞと這う
そこはドクダミの上
黄色い舌を出し
食べる
しかし上手くいかない
引っ掛けて
口元に持ってくる
上手くいかない
何故だ?
どうして?
「それはもうお前が芋虫ではないからさね。」
「しかも、お前はそれをわかっている。」
「わかっているからこそのそれであり、
また、ワシでもある。」
理由を探すフリをして、
理由をこじつける
それで一旦満足し、
また繰り返す
何度も
何度も
悲劇を生み、
絶望し、
そして、再生させる
芋虫の背中が割れ、
中から頭の無い友人が
「それでいいんだろ?
いや、
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