風に捧ぐ/opus
 
閉じる

(暗闇)

もぞもぞと這う
そこはドクダミの上
黄色い舌を出し
食べる
しかし上手くいかない
引っ掛けて
口元に持ってくる
上手くいかない
何故だ?
どうして?

「それはもうお前が芋虫ではないからさね。」
「しかも、お前はそれをわかっている。」
「わかっているからこそのそれであり、
また、ワシでもある。」

理由を探すフリをして、
理由をこじつける
それで一旦満足し、
また繰り返す

何度も
何度も
悲劇を生み、
絶望し、
そして、再生させる

芋虫の背中が割れ、
中から頭の無い友人が
「それでいいんだろ?
いや、

[次のページ]
戻る   Point(2)