イグニッション/またたび八寸
 

点火した花火が
薄く煙をあげて消えていった

細く輝く
糸で編んだ言葉を
解いてはより分けて
再び編み直す

繰り返して いつか
千切れて燃えていってしまう

手元からたちのぼる煙

伝える為のものが
僕を燃やしていく

暗闇で点る光が
瞬いている

いつしか空は暗くなり
そして僕らは眠りにつく

その繰り返し

白い紙の上でダンスを踊る二人
指先には細い糸を編む棒針

足元には絡まった糸がきらきらと
輝いて そこから出た煙が
空までのぼっていく

伝えるための言葉が
僕らを燃やしていく



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