真夜中の隅/
霜天
どこにでも
約束は無いとして
真夜中で
月の沈む場所
緩やかな寝息で
どこへ落ちていく私にも
約束できる
ものは無いとして
少し
はぐれる
月の端を狙撃して
落ちてくるものを期待して
言葉の端を捕まえて
浮かび続けられると
波の中まで
真夜中の隅で
約束されたものは
どこへでも
朝の行方は知らせてくれる
たった
それだけのこと
静かな心音を聞いた
緩やかに繰り返す
止まらない音の、夜の
約束は無いとして
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