ふたつ すくう/木立 悟
 





姫と姫
遊びは灰緑
梯子を外した
冬の高さ


あざやかな水色
うたは遅れ来て
ひいらぎ きさらぎ
目を 衣を 脱ぎ捨てる


雪とくちびる
穂の上の神託
刈られ 刈られる
白の上に散らばる


己れを握りしめすぎて
痛みは土へこぼれつづけ
拒むものの名をなぞりつづける
わたしは血
わたしは針
わたしは鉛 交わらぬ線


捨てても捨てても
生まれ来る羽
笑みのはざまの笑みが招ぶ   
小さなひとつに破裂する春


姫と姫
終わりはじまる水の器
指先 舌先
ひたしひたされ
緑をつなぎ 灰を割り
あらたな遊びを抄いつづける






















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