静かに泣いてしまいたい/keigo
 

空は眩いばかりの光に満ちていながらも知らん顔でもをしているようだ
胸の水面に浮かべた決意も
どこか夢心地のリアル

憧れに向け力強く背伸びするといふ
あすなろを想ふ

決して檜になれない絶望を孕みつつ
空にすっくと手を伸ばすその前向きさが
欲しいようでもあり
欲しくないようでもあり

かつて見守り続けてくれた誰かの
風の便りはもはや聞こえず
凪の静けさが恨めしい

明日吹く風は春一番か
待ちわびた季節の足音も
それを迎える準備はしておらず
どこかノイズにしか聞こえないのが
虚しく
儚く
もどかしい

子供の頃のように
心のまま泣けたならいいのに



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