晴れの日にブルース/ただのみきや
 
眠気に包まれた祈りが煙の海を泳いでいる
硝子越しに並んだ雑誌の女たち

未だ馴れない携帯メール
     たどたどしい指先

男性誌と女性誌では
同じ美人でも漂う匂いが違っている
雄と雌は別の獣なのだ
人間であることを共有していても

――ああコーヒーが効いてきた
     小さな蕾が膨らんだ頭の真中で

愛のデスマスクを模した仮面は装飾され
素顔の欲望に煌びやかな魔法をかける
祝祭に訪れた旅行者のように享楽を傾けて
けれど愛は
娼婦が夢の中で孕むぬくもりかもしれない
透明で 時には鉛の貞操帯となるほどに

(入学おめでとう
   ――続きが 浮かばない
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