ココアの香 #2/うたひと
 

言われて

緊張で喉が渇いてくっついていたから
水飲み場まで走って
水をガブガブのんだ
顔を洗った
なんか鼻の奥の方がツンとして痛かった

君は僕のそばまで走って来て
「気にすんな」って
なんか少し 僕の心がうるおった

君は女の子で
僕は男だけど
なんか 逆だったらちょうど良いのにって
思った

最初の雪が降り積もるまで
僕は毎日一人で縄跳びをしていた
君も僕のとなりで一人で縄跳びをしていた
「なんでみんなと一緒に縄跳びしないんだよ」って言ったけど
君は黙って一人で縄を跳んでいた
僕も一人で縄を跳んでいる
二人で縄跳びをした帰り
自販機で暖かいココアを買って
一緒に飲んだっけ
今でもココアを飲むとき
その時へタイムスリップできるんだ

つづく

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