瞼/草野春心
 


  左脳のなかに
  右脳が休んでいる
  縁石に腰かけ、私たちは
  玉砂利をつかった遊びに耽る


  あとほんの少し風向きが変われば
  瞼の暗闇にともされた炎のかたちがわかる
  犬のにおいがする午後が 今
  フィアットの腹の下にもぐりこんだ



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