可哀想なデブ/
花形新次
えっ?そんな・・
僕がみんなの前で
別れの挨拶をしているとき
泣いているきみに気づいた
他には誰もいなかった
「俺、あの娘に金貸してたっけか?」
その日は特に何もなかった
翌日の昼
その娘から
ひとつ多く注文した
弁当を食べてと渡された
良い娘だった
とても優しい娘だった
でも、それだけだった
扱いは
可哀想なデブそのものだった
それ以上には発展しようもなかった
だって、俺、結婚してたし。
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