夜の吐息。/梓ゆい
 
平行線がモニターに表れて

力の抜けた父の身体は

関節を失った人形のように

母の腕の中で横たわる。

(星がいつもより余計に輝いて、ファミリーワゴンの屋根が強く反射していた。)

事態を受け入れられない私の心は思考が止まり

家へと向かう車の中で

昨日まで父が着ていたパジャマを抱きしめたまま

友人/知人にメールを打つ。

外はまばらにアスファルトが見える雪解けの道

白いスニーカーを汚す泥水が

父が掃除をした車内を

無情に汚す・・・・。


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