ミーナ/ホロウ・シカエルボク
手紙には記されてあった、ほかにもいろいろと書かれていたが、それはおそらくのちに遺書のようなものになるために書かれたものだった―それを読んだひとりの刑事は、ミーナの事件のことを知っていた、「なるほどね」と彼は言った、「ケンとやらは、最短距離でこの街での用事を済ませたわけだ」だが、と刑事は声に出すことなく続けた、「ケンはここに来るべきではなかった、父親に、こんなことをさせるべきじゃなかった」
俺は彼には、すべてが昔話になるまで生きていて欲しかった、と。
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