空/佐藤伊織
 

時間を忘れていた
海の音が聞こえていた
都市の音が聞こえていた

カラスの背に乗せられていた
飛翔していた
5時半の放送が
避難命令を出すときに

僕らは河原で遊ぶ
きっとどこかへ行くことなんて
知らない子供たちは
手をつないで空を飛んでいく
サイレン





戻る   Point(2)