消波堤/梅昆布茶
 
様々な波長のことばに耳を傾ける
舞い散る花びらのように光をもとめて
あるいは影に紛れてかたちを失ってゆくものたちよ

羽化して浮揚する繊細な翅を持つ蜉蝣のように
永い水底の想いををうたにして欲しい
わたしにも親しいおもいでを

盲いても見えるようなため息をひとつついて
生きるため死ぬための衝撃をもたらして欲しいのだ

生命の解体はつねにとどまらない
それでも残るものがあるとしたら
あなたの詩なのかもしれない

最後の詩を読みたい
今までもいまもこれからも

何かを描いてゆきます
雨粒のように点描のように

白く消えてゆく航跡のように
それをひそかに感受する消波堤のように





                   
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