泣き虫/
baby bird
今日もあの娘が泣いている
とても暗い雨の中で
黒く濡れたアスファルトの上で
一人声を上げて泣きじゃくっている
いつからか瞼の裏側に張り付いていたあの娘の
笑った顔を恐らく僕は見たことがない
何故泣いているかはわからない
どうすれば泣き止んでくれるのかもわからない
泣き止んで欲しいのかもわからない
ただ決まって気分の沈んだ眠れぬ夜の終わりには
あの娘の泣いている姿が見える
名前も知らないあの小さな少女の姿だけが
脳裏に焼き付いて離れない
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