雷/草野春心
 


  雷(いかずち)が 遠くの空に
  かなしい光をふるわせた
  あなたの膝に置かれていた
  羊の彫刻は床に落ちた



  眠りに似た川の聲は
  月明かりとともに 積み藁へ沈みこむ
  わたしたちはどのくらいひとりぼっちなのだろう
  空の影は白い  なにひとつ 映し出すことができないほどに



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