すぷりんぐ/またたび八寸
 
起きてから息をした

水面をくぐる鳥たちに似合う
きれいな羽を編んでいる最中だった 

きっと君はもう随分前に
仕上げてしまって
春の水音の中へ
飛び立っていったのだと思う

あたたかな布団の中で
ゆっくりと身体を広げる

重なっては揺さぶりあう羽たちの
かすかな残像が目の奥に滲んでいく

胸の音を紡いで
息をしている

僕は
また朝を迎えていた




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