そしてまた恋をするだけ。/かんな
ことばを紡いでみたくて
両手で口を押さえた朝方のこと
小鳥がついばんだ恋について
きれいなものばかりを集めることについて
並べればすべてはいびつだと言った
みんな泣きたいだけなのだな
九日間という月日をいっしょに過ごした
恋人同士という名目で抱き合った
数えきれるキスをして
察しきれない互いの傷をなめあった
そういえば随分経つけれど
記憶の中核から消えないのはなぜだろう
朝焼けを見るよりは夕焼けを感じたい
沈むのも悪くないよと言った
説明を求めたらきっと美化されない
だからみんな語らないのだろう
海に生きるのも陸に暮らすのも
絶え間ない呼吸が必
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