運動会の思いで/ああああ
 
体操服がたまらなく淫猥なもののように見え、そのように感じた自分を恥じる一方でどうしても口角が上がってしまうのを抑えられなかった。自分の耳が赤くなっていく感触があった。

ダンスは止まらない。楽隊が退場してからも音楽は続く。トランペットが放り出された。オペラ歌手は気絶した。それでもカリカリした音がなっている。カセットテープの回る音に意識のピントがあったのだ。その音も止まる。光が消える。

音のない、色のない空間に放り出されて私は気づく。思いでは夢だった。
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