その瞳をみていたら/黒木アン
 
その瞳をみていたら

どうしようもなく
嬉しくて
どうしても
忘れたくない

君たちのその瞳
滲んだり潤んだり
それが笑顔に
かわる瞬間
教室は
手を繋ぐように
一つになったね

真っ直ぐな
瞳の奥の

どこまでも
柔らかい心に
残してあげたい

この想いに
もう伸びない程に
手をあげて
君たちの
大きな笑顔が
こたえてくれた

はんぶんこ
秋の陽をはんぶんこ
此処からまた
始まっていく

音楽室からの合唱に
校庭いっぱい
赤帽子が跳び跳ねて


春になったら
此処にはいない
君たちだから
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